枡で使用している組手「あられ組み」について

あられ組み 木工 作り方

木材を組み合わせる多種多様な技術

日本には、釘などを使わず、木材を組み合わせていくために様々な木を接合させていく技術があります。
特に建築分野では強度を増すためや材を延長させるために、多様な接合方法を利用しています。

枡作りで使用される「あられ組み」

4枚の板を組んでできている枡。その最も象徴的なデザインといえば、板の接合部分である組み目だと思います。
英語では「Box Joint」というそうです。まさに箱をつくためのジョイント部分ではあるので、あられ組みは箱を作る上で重要な接合方法という意味もあるかもしれません。
では、大橋量器の枡作りの根幹であり、木を組み合わせる技術の基礎である、あられ組みを覗いていきましょう。

大橋量器のあられ組みについて

まず、私たちはあられ組みを作る機械を所有しています。
ロッキングカッターと呼んでいます。これを用いることで、綺麗で正確なあられ組みを量産することができます。
あられ組み ロッキングカッター

枡 内装材 工場 風景

「機械だから簡単なのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この機械で難しいことが、「刃の調整」です。
この刃の調整を間違えてしまうと、板と板を組んだ時にスカスカで隙間が生じることがあります。
それによって、枡にお酒などを入れると漏れる場合もあります。
またあられ組みの隙間がきつくしすぎると、それによって板を組むことが難しくなったり、板が割れる場合もあります。
職人の中では、この刃の調整に2日かかったこともあるそうです。
組手 ロッキングカッター 作り方

木殺しとは?

私たちのあられ組のもう一つのポイントは「木殺し」です。
これは、あられ組みの出っ張り部分の一部をへこませることを意味しています。
(写真の赤枠で囲われた部分です。)
そうすることで、板を組んだ後に空気中の水分を木が吸って膨らむことで、より強固に板を組むことができます。
木が水分を吸収することで膨張する特性を活かした技術となっております。
※この技術は一部商品だけで使っております。
木殺し 木の吸水性 膨張

あられ組みは枡メーカーで異なる?

あられ組みは枡メーカーそれぞれで実は異なります。
同じ一合枡でもあられ組みに注目すると、違いが分かります。
ちなみに、弊社のあられ組みの大きさは7mmです。
他社では、8mmや6mmとなっていることもあります。
大きさがバラバラな理由は不明ですが、偶然にも各社で違うようになりました。
ぜひ、今度枡を見つけたら、あられ組みを測ってみてください。

枡 組子 あられ組み

このように枡のあられ組みという技術には職人のこだわりが詰まっています。
それによって、枡という形は成り立ち、様々な用途で使われています。
そして、その技術は1,300年以上続き、これからも残していきたいと思います。

枡の歴史については以下の記事をご覧ください。

 

 

 

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