MASPACIO(マスパシオ)では、枡の素材にヒノキを使用しています。ヒノキのやさしい木肌や特有の芳香ってとても癒されますよね。
ヒノキの香りに癒された経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。ヒノキは建築材料に使われたり、檜風呂に使われたりと、様々な用途で使われ、日本で古くから愛されている木材です。そんなヒノキの木材の特徴をまとめてみました。
「ヒノキ」の語源とは?
ヒノキの樹皮は赤褐色で、幅広く縦に裂けて剥がれやすいのが特徴です。
古代に樹皮を剥がして火起こしに使われたため、名の由来が「火の木」という説があります。
また、尊く最高のものを表す「日」をとって、「日の木」という説もあります。
「ヒノキ」はどんな木材?
ヒノキは、ヒノキ科ヒノキ属、常緑針葉樹といいます。
乾燥した場所を好み、 日本ではたくさん植林されています。本州では福島県あたりを北限とし、四国・九州・屋久島まで分布しています。スギに次いで造林面積の広い針葉樹です。スギとともに、日本の代表的な木材ですが、ヒノキは一般的により高級なものとされています。なかでもヒノキといえば、木曽の名がすぐに思い浮かぶほど、木曽檜は有名です。
ヒノキは仏閣や神社を建てるための木材として古くから用いられてきました。江戸時代にはその保護のため木曽ではヒノキの植林の政策が始まりました。古来より貴重な木材として利用され続けています。三角形の樹形が美しく、高さは20~30mです。高いものでは50mあります。直径は1m程度のものが一般的です。
材は、淡黄白色で、比較的ゆっくり育つため、肌目が緻密です。木質は軽軟で、弾力性があるため、狂いが少なく加工性に優れています。 日本で最もよく用いられている建築材の一つでもあります。
ではヒノキにはどんな特徴があるのでしょうか。
ヒノキの材質の特徴
建築材として世界トップレベルの「ヒノキ」
先ほど、狂いが少なく加工性に優れており、日本で最もよく用いられている建築材の一つでもあるとご紹介しました。
日本最古の歴史書である日本書紀には
「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい」
と書かれています。ヒノキは古くから宮殿建設用として最適で、最高の材になることが知られており、仏閣や神社を建てるための木材として用いられてきました。
ヒノキは伐採後、200年間は徐々に強度を増すと言われています。法隆寺や薬師寺の塔は1300年たった今も維持されています。その強度は伐採時の強度と言えるそうです。美しく生き続けるヒノキに圧倒されますね。
ヒノキは防虫防腐効果もあり、耐久性や保存性に優れていることから、世界トップレベルの建築材として認めれらています。
「MASPACIO(マスパシオ)」では、建築で出た端材の「ヒノキ」を再利用して「枡」を製作しています。木が材木になるまで、何年もかけて育まれた自然の恵みを余さず使っています。「枡」は地球環境に優しく、エコにも優れているのです。
木肌
ヒノキは、美しく、そして長年使っていくほどに色や表面に味やつやがでてくる素材です。美しい光沢は、ナチュラルでありながら高級感を感じさせる木材です。 柔らかな印象を感じる木材でもあります。 やわらかでなめらかなその木肌は優しさとぬくもりを感じます。使っていくほどに味が出てくるところもヒノキの材質の特徴のひとつです。また、木目の表情が非常に美しく、現代的なイメージにも古風な雰囲気にも合うので、幅広い世代に好まれる木材です。表面が汚れにくく、まな板やカウンター等、食との相性も抜群です。
ヒノキがもたらす効果
リラックス効果
森の木や草は、侵入しようとする微生物や虫から身を守るため、フィトンチッドと総称する様々な化学物質を放出しています。フィトンチッドという名前は、ロシア語で、フィトン=「植物」、チッド=「他の生物を殺す能力を有する」という意味をもちます。
1930年頃、ロシア(旧ソ連)の科学者B.P.トーキン博士がこの植物が持つ不思議な力を発見し、フィトン(植物が)チッド(殺菌する)と名付けました。これを繋げて読むと、「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」という意味になります。
森で感じる安らぎや清涼感には、このフィトンチッドが深く関与しており、人への有益性は医学的にも認められています。ヒノキは「香りを売る」と言われるほど特有の芳香を持っており、さわやかで清らかな香りです。森林浴の効果の元となるフィトンチッドも含まれています。
ヒノキに含まれる木の香りは脳の活動と自立神経活動を鎮静化し、リラックスさせてくれます。血圧低下や脈拍の乱れの減少、快眠など数多くの効果をもたらすと言われています。また、森林浴のときに感じる爽やかなリフレッシュ感や、気分をリラックスさせストレスを軽減させる効果など、ヒノキは私たちに癒しをもたらしてくれる木なのです。
ヒノキの香りについての研究はこちで詳しく紹介しております。
消臭・防虫・抗菌効果
不思議なことに、ヒノキには嫌な臭いを消してくれる効果があります。ヒノキの香りで嫌な臭いが紛れるのではなく、嫌な臭い自体が脱臭されるのです。実数値としてひのきの消臭作用は証明されており、ひのきから取り出された精油はアンモニアの臭いを97%も消してくれると言われています。
耐水性にも優れた木材であり、独特な香りが特徴ですが、これは、テルペン類という有機成分が関係しています。揮発性なので、材が乾燥した状態では香りが立たないため、檜風呂などの水回りに利用されることも多いのです。この成分には殺菌作用があり、虫避けにもなります。
また、ヒノキにはカビや細菌の繁殖を抑え、酸化を防止して腐敗から食品を守る作用もあるため、古くから食材の下に敷いて使われてきました。そのほか、構造材・造作材・建具・家具・風呂桶・生活用品(枡・ばげわっぱ・まな板)など幅広く用いられています。
まとめ
ヒノキは建築材料や、家具などに使いやすい木のひとつですが、それ以外にもたくさんのメリットがある木材でした。体に対するよい効果はたくさんあります。 落ち着きを与えてくれたり、生き生きとさせてくれたりと、ヒノキが生活の空間にあることで、毎日の生活が変わりそうです。 自然の中で生活しているような気分を味わえるヒノキ。そんなヒノキを扱うMASPACIO(マスパシオ)では、木のぬくもりとともに驚きと癒しを与え、安らぎを感じる洗練された空間をつくり出すことのできる素材になりたいと思っています。
【参考文献】
・木材デザイン究極ガイド p42
・森林・林業学習館「檜・桧(ヒノキ・ひのき)世界最高レベルの木」
・暮らし-の「ヒノキの効果は?有名なヒノキ木材の特徴と効果を解説!」
・地球品質「ヒノキ(檜・桧)の成分 効果と特性について」
・日本ハウスHD「知られざる檜の効果・作用 | 檜の魅力」
・komorebi book 「https://komorebi2020.jimdofree.com/komorebi-book/」